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むかし

ぼくは歴史の本で

「ポチョウムキンは 大噓つきだった」

というのを読んだ

 

女王さまがやってきたとき

ポチョウムキンは

女王さまのとおる道だけを掃除し 花を植え

町を作ったのだそうだ

 

その頃

ぼくはまだ 黒海とは小さな池のようで

池のまわりには

赤い帽子のトルコ兵がたくさん並んで駆けていた

 

——

 

ぼくは絵本を閉じた

お母さんの手がのびて

枕もとの明かりを消した

外では桜の花が散っていた

 

夜桜が散っていた