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夏の思い出

ぼくは船を作る

細い紐

縄ばしごもかけよう

 

生木をけずって

日なたへ出して

それから磨きをかけるんだ

胴体が張ってて

それでいて軽い

岬を廻るときには

お日さまの光でピカリと光るんだ

煙突は

少しななめにしよう

あんまり高いマストはだめだぞ

ついでに

ボートもあればいいんだがなあ

港につけば

ぐずぐずしないで

自分の荷物ぐらい自分で運ぶんだ

 

きょうは

誰もいない

なに 少しぐらい叱られたって

パパさんのナイフ

よく切れるんだな

 

ぼくは船を作る

晴れた日

それを海に浮かべるんだ

誰も乗せてやらない