西 一知詩作品 · 13日 4月 2023 シーソー 月は 一片の薄いレモンのように 丘の 東にかかっていた ぼく等の 車の 走っている間じゅう 月 も灌木の 繁みのなかを 走ってきた しかし だが しかし ぼく等とて 迫りくる この夕闇のなかで 誰か いわねばならぬ言葉 を持っていたか おろかにも またぼく等 ぼく等みずからの 小さないのち を抱きしめるだけだった tagPlaceholderカテゴリ: