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シーソー

月は

一片の薄いレモンのように

丘の

東にかかっていた

ぼく等の

車の

走っている間じゅう

も灌木の

繁みのなかを

走ってきた

しかし だが しかし

ぼく等とて

迫りくる

この夕闇のなかで

誰か

いわねばならぬ言葉

を持っていたか

おろかにも

またぼく等

ぼく等みずからの

小さないのち

を抱きしめるだけだった