· 

夜の部分 

恐ろしく呪われた饒舌

よく晴れた

港の空

 

きみたちの演技は終る

 

太陽の前の輝やく

椅子

その廻りを

流れている青い煙

 

扉を

開いたばかりのレストランで

ビフテキを頬張りながら

 

シャツを着る

 

かもめが

一羽舞っている

岩かげの

 

光に満たされた空間は

もしかしたら

わたしの肉体の

延長であるかも知れぬ

 

詩集『大きなドーム』(1957年)より