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黄昏詩篇

レストランの二階の

色褪せたカーテン

ぼくはひどい近眼だったし

それにもう

夜がすっかり近寄ってたので この手紙

こんな大きな字になっちゃった

 

でもそれは

黒い鵣じゃありません

大きな字は

白い鳩

家鳩 赤い鳩

 

大きな字は

夕暮れ風が渚に書く字

レストランの二階の

色褪せたカーテン

岩かげから

小さな蟹がはい出てくる

 

 詩集『大きなドーム』(1957年)より