西 一知詩作品 · 13日 9月 2020 形象 深い海の底の泥の上には 夕陽に映えて輝く電柱が 並んで立っているのだ カーテンの襞も揺れず 鳥さえ鳴かず 物みなの眠りの中 夜の果てに 夕陽に映えて佇む柱列がある かつては 異端の徒の夢 神神の記憶 戦争や平和や 生起するもろもろの事象の中で 人間たちによってかいま見 そして 忘れられてった ある瞬間 それがここに佇んでいる (1947年) 詩集『水の装い』(1954年)より tagPlaceholderカテゴリ: