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形象

深い海の底の泥の上には

夕陽に映えて輝く電柱が

並んで立っているのだ

 

カーテンの襞も揺れず

鳥さえ鳴かず

物みなの眠りの中

夜の果てに

夕陽に映えて佇む柱列がある

 

かつては

異端の徒の夢

神神の記憶

戦争や平和や

生起するもろもろの事象の中で

人間たちによってかいま見

そして

忘れられてった

ある瞬間

それがここに佇んでいる

(1947年)

 

 詩集『水の装い』(1954年)より