西 一知詩作品 · 13日 9月 2020 黄昏詩篇 レストランの二階の 色褪せたカーテン ぼくはひどい近眼だったし それにもう 夜がすっかり近寄ってたので この手紙 こんな大きな字になっちゃった でもそれは 黒い鵣じゃありません 大きな字は 白い鳩 家鳩 赤い鳩 大きな字は 夕暮れ風が渚に書く字 レストランの二階の 色褪せたカーテン 岩かげから 小さな蟹がはい出てくる 詩集『大きなドーム』(1957年)より tagPlaceholderカテゴリ: