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金米糖のある風景

 

木立の合間に

人の往き来が絶えません

人がキラキラ光ってるのか

樹の葉がキラキラ

光ってるのか

 

風があんまり強いので

あなたの姿は見えません

 

太陽に膨らんだ空の下で

揺れている梢

ああそれは僕だ

 

やさしく

それは

あなたの為にではなく

ぼくの為にではなく

喪われた時間を再現する

限りなく永い凝視なのだ

 

空には星の金米糖

子供が手をあげ叫びます

 

金米糖を剥がしたら

夜が静かに拡がります

 

              (1949年)

 

 『水の装い』(1954年)より