西 一知詩作品 · 12日 9月 2020 雲 白い雲が浮かんでいた じっとそれを凝視めながら できるだけ早く ぼくは走った パンジーの咲き乱れる庭で 狂ったあなたは白いエプロンを着け 幼い弟や妹たちに 誰よりも 優しくしてあげてるにちがいない 今では もう海よりも大きな歳月が ぼくとあなたを 隔ててしまった ハムレットよりも ほんの少し小さなぼくら 詩集『大きなドーム』(1957年)より tagPlaceholderカテゴリ: