西 一知詩作品 · 25日 6月 2020 月が街を食べました 月が街を食べました 皿は吐き出された骨で一杯です 露路を曲がると スピノオザの眠る海 涎を流して眠る男の顔半分は 真暗なかげに閉ざされています 食べ残された壁の後は夜です ひどい風に鏡は埃まみれです 乱れる髪! 夜の口はなんて汚いんだ 詩集『水の装い』(1954年)より tagPlaceholderカテゴリ: